ふるさと納税をしたときに気になるのが年末調整です。
ふるさと納税は個人で行うため、会社で年末調整をしてもらうときには、何をすれば良いのか何が必要なのかが分かりづらくなっています。
そこで、ここでは年末調整とふるさと納税に関する疑問を一つずつ解説していきます。
ふるさと納税を安心して手軽に活用していくためにも、なかなか聞けない年末調整との関わりをしっかりと把握していきましょう。
目次
Q.年末調整のときにふるさと納税の証明も出したほうがよいのですか?
ふるさと納税による税額控除を受ける場合、実は年末調整では手続きができません。
確定申告やワンストップ特例を用いて、ふるさと納税の控除手続きを完了させるためです。
そのため、生命保険などの控除と同じように、年末調整のときにふるさと納税の証明書を提出する必要はありません。
なぜ年末調整では対応できないの?
ふるさと納税による控除は、1年間に寄付をした総額によって控除金額が決定し、12月31日まで寄付が可能です。
年末調整によって収入額は確定しますが、寄付金額は年末時点では確定しないため、翌年になってからでないと手続きができないのです。
また、年末調整は源泉徴収によってあらかじめ徴収している所得税を、正しい税額へ調整する手続きです。
つまり、もともとふるさと納税による控除を申告したり適応させたりする手続きではないため、年末調整では対応できません。
そのため、年末調整が年明けに行われる場合でも、年末調整ではふるさと納税の手続きは行なえません。
Q.年末調整でふるさと納税の控除が同時にできますか?
年末調整によって正しい所得税額が決定するため、ふるさと納税の控除額が決まっていればすぐさま控除できるように思えます。
しかし、年末調整のときにはふるさと納税の控除額が確定していないため、年末調整の還付と同時に控除できないのです。
また、年末調整ではふるさと納税の手続きは行えなため、年末調整以降にふるさと納税をする予定がなくても同時の控除はできません。
Q.ワンストップ特例と年末調整はなにか関係がありますか?
ワンストップ特例とは、1年間の寄付先が5自治体までであれば、確定申告をしなくても寄付をした全額が翌年度の住民税から控除される制度です。
そのため、確定申告と密接な関係があり、年末調整とは特に関係のない制度です。
ただし、年末調整によって配偶者控除などの制度が適用されて、年間の課税対象所得が変化し、控除できる上限金額も変わる場合があります。
この場合、申し込みすぎてしまうとその分は税金から控除できないため、控除の上限金額を調べるときには必ず他の控除制度についても調べておきましょう。
Q.確定申告をする場合、年末調整には何かすることはありますか?
年末調整は会社にしてもらう確定申告のようなものであるため、個人で確定申告を行う場合には年末調整の必要性がなくなります。
そのため、特別な対応をしなくても、問題なく確定申告を終わらせられます。
ただし、正確な所得や控除の金額を知るためには、年末調整によって作られる源泉徴収票が非常に役立ちます。
源泉徴収票の内容を転記してくだけで複雑な記入を終わらせられるため、確定申告をする場合でも必ず年末調整をしてもらいましょう。
ふるさと納税と年末調整の関係を正しく理解しよう!
年末調整ではふるさと納税の手続きはできないため、ふるさと納税に関する書類を提出する必要はありません。
しかし、年末調整での還付を誤解したりやってくれたと思いこんでしまうと、確定申告を忘れてしまい正しく控除されずに寄付をした分だけ損してしまいます。
そのため、ふるさと納税と年末調整、確定申告、それぞれの役割や関係をきちんと理解して適切な手続きを行ってくださいね。